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「凛くーん、おはよう」

「........はよ」


朝から俺の腕に絡みついて来る女の子。
名前も何も知らないけど、一度だけ相手をしたってことは覚えてる。
ほんっと俺っていままで適当だったんだなって思う。


「........腕、離してもらっていい?」

「え?」

「腕、離して欲しいんだけど」

「え、あ、うん。えーっと今日機嫌悪いの?」

「別に悪くない」


こんな風にキツく女の子に当たるなんていままでなかった。
でも自分から女の子を遠ざけないと信じてなんてもらえないから。


「今日の放課後遊べないかな?」

「あー無理」

「じゃあいつ?またいいことしよう」

「俺、そういうのやめたんだ。じゃ」


女の子が唖然としてる中、俺は教室へと入る。


「凛、今日遊べる?」

「凛、今日は誰と遊ぶ?あたし?」

「デートしたい!」


教室に入っても色んな方面から声をかけられる。
その全ての声に耳を塞ぎたかった。
いつもなら「順番ねー」とか言ってたけど、俺はもう返事もしたくなかった。
返事をしなければ、様子がおかしいことを悟ってみんな声をかけて来なくだろうと。