「凛(りん)くんって本当にカッコイイよね」


俺の腕に自分の腕を絡めてくる女の子。


「そうかな、ありがとう」


この子誰だっけ？なんて思うけど、さすがに口にはできない。


「ちょっとー、独り占めはダメ！」


今度は香水をぶら下げて歩いているんじゃないかってくらいプンプン何かの匂わせて歩いてくる女の子。
逆側の腕にひっつく。


「ねぇ、今日はあたしの日でしょ？」

「誰かの日とかないから」

「凛くんはみんなのものなのよ」


また女の子が前から向かってきて、両側にいる女の子たちがそれを阻止する。


「まぁまぁ、みんな仲良くしてよね」


バチバチと火花が散っている様子を傍観者のように見ながらそう言って、3人の顔をみてニッコリと笑う。

こうして、俺に寄ってくる女の子たちも面倒で本当は好きじゃないけど、一番嫌いなのはみんなにいい顔することしかできない自分。

でも、別に誰かがそばにいてくれればそれでよかった。
女の子たちはみんな可愛いし、俺のはけ口になってくれるし、実際はそこまでのブサイクじゃなければ誰でもよかった。


「でも、きっと約束してたのかな？」

「してたよー！凛くん！」

「じゃあ、今日はこの子と遊ぶね」

「わかったー。じゃあ明日！」

「あたしは明後日！」

「うん、またね」


俺は自分と約束していたという女の子の手を握って他の子たちに手を振る。