中学校の卒業式。
 妹系の生意気な後輩女子が第二ボタンを貰いに来るとか、仲の良かったボーイッシュな女の子から「君のこと、実は好きだったんだよねっ」と告白されるとか、そんな青春イベントは特に起きるはずもなく、つつがなく卒業式は終了した。
 俺の地味過ぎた中学生活は、最後までとことん地味だった。

 ――そのはずだった。

 そんな帰り道に、俺は彼女に出会った。