「教員の通勤車のタイヤに穴を開けたのがバレまして」
「またタイヤ!?どんだけタイヤ好きなんだよ」
もういっそマニアでしょ!タイヤに穴開けて興奮するんでしょ。
「だけど百瀬さんにひっぱたかれて、まともになる理由ができたと言っていました」
なんか闇の深そうな発言だな、と思って私はコーラを飲む。するといちごパフェが運ばれてきた。こんな真夏でもイチゴって出てくるんだなあ。
アイスクリームの上にさらに生クリームが乗っている。そこにスプーンを入れたとき、きゃっきゃという声が入口の方から聞こえてきて、女子の集団が店内に入ってきた。
私たちが座っているのは入り口から一番奥に行ったところで、さらに私は入り口に背を向けるようにしてソファに座っているため、集団の顔は見えない。だけどその集団は私たちの手前、つまりちょうど私の背後のテーブルに着席した。
「……で、結局そのあと一緒に買い物したんだけど、言い出せなくてー」
「えー、勿体ない!」
「だって、付き合って2週間でお揃いのアクセサリーって重いかなー!?とか思ってー!」
まさにきゃっきゃトークをしている。霜田先輩に捨て(?)られてうなだれるノリくんと、ももちゃんに遊んでもらえずさらに数学が分からなくて絶望する私が囲むテーブルとはえらい違いだ。
その時、背後で聞き覚えのある声がする。
「でもぉー、カナ可愛いから、彼氏さんも許してくれるよぉ」
「えー?セイラに可愛いって言われても嫌味だよねー」
そしてまたきゃっきゃしている。その一部がセイラちゃんの声だと知った私の気分はさらに重くなる。はあ、とため息をつくとノリくんと目が合った。ノリくんは不可解そうに眉間にしわをよせている。
「こういう会話に、意味はあるんですか」
「シッ聞こえるから!あるある、多分ある!」
「お世辞を言うことで思ってもないことを言うことに慣れ、社会への耐性をつけている……とかですかね」
「そこまで考えてるかなぁジェーケー……」
ももちゃんとはこういうきゃっきゃトークしない、というかももちゃんが飛鳥ってかわいいよねぇとか言ったりお世辞を言ったりするタイプじゃないから必然的にこういう盛り上がり方をしない。
あれ、だけど私たちはいつもなんだかんだ盛り上がってるよな、と思うと不思議だ。
「またタイヤ!?どんだけタイヤ好きなんだよ」
もういっそマニアでしょ!タイヤに穴開けて興奮するんでしょ。
「だけど百瀬さんにひっぱたかれて、まともになる理由ができたと言っていました」
なんか闇の深そうな発言だな、と思って私はコーラを飲む。するといちごパフェが運ばれてきた。こんな真夏でもイチゴって出てくるんだなあ。
アイスクリームの上にさらに生クリームが乗っている。そこにスプーンを入れたとき、きゃっきゃという声が入口の方から聞こえてきて、女子の集団が店内に入ってきた。
私たちが座っているのは入り口から一番奥に行ったところで、さらに私は入り口に背を向けるようにしてソファに座っているため、集団の顔は見えない。だけどその集団は私たちの手前、つまりちょうど私の背後のテーブルに着席した。
「……で、結局そのあと一緒に買い物したんだけど、言い出せなくてー」
「えー、勿体ない!」
「だって、付き合って2週間でお揃いのアクセサリーって重いかなー!?とか思ってー!」
まさにきゃっきゃトークをしている。霜田先輩に捨て(?)られてうなだれるノリくんと、ももちゃんに遊んでもらえずさらに数学が分からなくて絶望する私が囲むテーブルとはえらい違いだ。
その時、背後で聞き覚えのある声がする。
「でもぉー、カナ可愛いから、彼氏さんも許してくれるよぉ」
「えー?セイラに可愛いって言われても嫌味だよねー」
そしてまたきゃっきゃしている。その一部がセイラちゃんの声だと知った私の気分はさらに重くなる。はあ、とため息をつくとノリくんと目が合った。ノリくんは不可解そうに眉間にしわをよせている。
「こういう会話に、意味はあるんですか」
「シッ聞こえるから!あるある、多分ある!」
「お世辞を言うことで思ってもないことを言うことに慣れ、社会への耐性をつけている……とかですかね」
「そこまで考えてるかなぁジェーケー……」
ももちゃんとはこういうきゃっきゃトークしない、というかももちゃんが飛鳥ってかわいいよねぇとか言ったりお世辞を言ったりするタイプじゃないから必然的にこういう盛り上がり方をしない。
あれ、だけど私たちはいつもなんだかんだ盛り上がってるよな、と思うと不思議だ。

