めちゃくちゃ罵倒されている!と思いながら、まあでも確かに一人になるのは怖いな、と思ったのでノリくんのやさしさに甘えることにする。
「かき氷とたこ焼きとからあげと焼きそば」
「いいですね、理性を失った動物みたいで」
ノリくんはいつもみたいに人を小馬鹿にしたように笑った。
ノリくんに会うのはこないだの、最後に勉強を教えてもらった日以来だ。そう思うと半月くらいしか経っていないけれど、その間に私には結構いろいろなことがあった。
そういえばテスト赤点じゃなかったよ、と報告すると、そうですか、とまた興味のなさそうな声が返ってくる。
黒板に写真を貼られてあらぬ噂を立てられて、いじめられたことは割愛してテストのことだけ報告すると、結果オーライな気がしてくる。ポジティブとはいいものだな、と我ながら感動ものだ。
「そういえばノリくんは、霜田先輩一筋なのに、ももちゃんと霜田先輩のことは反対しないの?」
「……私と坊ちゃんの関係を勘違いしているようですが、私はただの使用人ですから。坊ちゃんが好きだと言う人を咎める権利はありません。逆はすべからく排除しますが」
「……いつかの私のことか……?」
ノリくんは返事をしない代わりに冷たい目線を上から注いできた。クッ背が高い、と思うとそういえばノリくんと私は25センチくらいは違うのかもしれない、と思った。
「じゃあノリくんの想いは報われないんだね、悲しいね」
「馬鹿ほど想像力があるっていうのはあながち間違ってないかもしれませんね。芸術家になったらどうですか」
むっとして無言でたこ焼きを差し出すと、ノリくんはなぜかおよそ食べ物ではないようなものを見る目でそれを認識したあと、ため息をついて一つ頬張った。
次の瞬間にゲホォッとむせて、涙目になっていた。熱いんだ。筋肉バチバチのノリくんは意外と猫舌らしい。
「そろそろ花火、上がるね」
いよいよ会場の公園には人が増えてきて、移動するのも困難になってきた。すごいなあ、こんなに人が集まることってあるんだな。通勤通学ラッシュとは違って、人の流れがないことが余計に迫力がある。人だ、っていう。
その時、私の携帯が鳴った。
「かき氷とたこ焼きとからあげと焼きそば」
「いいですね、理性を失った動物みたいで」
ノリくんはいつもみたいに人を小馬鹿にしたように笑った。
ノリくんに会うのはこないだの、最後に勉強を教えてもらった日以来だ。そう思うと半月くらいしか経っていないけれど、その間に私には結構いろいろなことがあった。
そういえばテスト赤点じゃなかったよ、と報告すると、そうですか、とまた興味のなさそうな声が返ってくる。
黒板に写真を貼られてあらぬ噂を立てられて、いじめられたことは割愛してテストのことだけ報告すると、結果オーライな気がしてくる。ポジティブとはいいものだな、と我ながら感動ものだ。
「そういえばノリくんは、霜田先輩一筋なのに、ももちゃんと霜田先輩のことは反対しないの?」
「……私と坊ちゃんの関係を勘違いしているようですが、私はただの使用人ですから。坊ちゃんが好きだと言う人を咎める権利はありません。逆はすべからく排除しますが」
「……いつかの私のことか……?」
ノリくんは返事をしない代わりに冷たい目線を上から注いできた。クッ背が高い、と思うとそういえばノリくんと私は25センチくらいは違うのかもしれない、と思った。
「じゃあノリくんの想いは報われないんだね、悲しいね」
「馬鹿ほど想像力があるっていうのはあながち間違ってないかもしれませんね。芸術家になったらどうですか」
むっとして無言でたこ焼きを差し出すと、ノリくんはなぜかおよそ食べ物ではないようなものを見る目でそれを認識したあと、ため息をついて一つ頬張った。
次の瞬間にゲホォッとむせて、涙目になっていた。熱いんだ。筋肉バチバチのノリくんは意外と猫舌らしい。
「そろそろ花火、上がるね」
いよいよ会場の公園には人が増えてきて、移動するのも困難になってきた。すごいなあ、こんなに人が集まることってあるんだな。通勤通学ラッシュとは違って、人の流れがないことが余計に迫力がある。人だ、っていう。
その時、私の携帯が鳴った。

