告白した結果、「付き合って」と言われて最高に浮かれていたところで、実は村崎くんは陽一に歪んだ闘争心を持っていて、陽一の幼馴染だという理由だけで私に声をかけたということを偶然知った。
その一連を見ていた陽一は私にキスをして、他の女を全員切ると言った。
「なんであの時付き合わなかったの?」
「付き合おうって言われてないから」
「え、それだけ?」
「本当にそれだけ」
ももちゃんが心の底から呆れたようにはあ、というリアクションをくれる。
「じゃあ芹沢が付き合ってって言ったら、解決する問題なの?」
「だったら、陽一の首にキスマークがついてたり、人に言えないバイトしてたり、夜に知らない年上の女の人と歩いてたりしないよ」
ももちゃんは真剣そうに私を見つめて話を聞いていたけれど、「何やってんだあいつ」とあきれながら目をそらす。そして私にはそのリアクションが、すごくまっすぐ入ってきた。
ももちゃんの帰る方向との別れ道で私は手を振りながら、ああ替えの靴あったかな、と遠くの交差点を見つめた。
この二次災害について認識が甘かったのは、やっぱり愚かだ。
テストの日に限って寝坊、というテンプレートを毎度のごとくやってしまう私は、SHRが始まるギリギリのタイミングで教室へ駆け込む。
あれから数日間、私はローファーとスリッパを持ち歩くようになった。レベルの低いいじめには屈しないということだ。それでもやはり人間の醜い感情とは様々な引き出しがあるようで、私はまたため息をつく。机の上に花の刺さった花瓶が置いてある。
ああ私花言葉とか分からないから困りますよ、と思っていると担任が入ってくる。私の机を一瞥したのち、何も見ていないようにSHRを始めた。
陽一はまだ学校へ来ていない、テストの暇で遅刻とは大した野郎だ。私はとりあえずロッカーの上に花瓶を移動させて、帰りに花だけ捨てて花瓶は頂いてやろう、とたくらむ。
まあ気分のいいことをされているわけではい、それでもこれは有名な悪戯だ、こんなテンプレみたいなことしかできないんだろ!と思うと少しだけ優越感を勝たせることができる。
SHRが終わって、テストが始まる1分前になったところで陽一が登校してきた。先生が溜息をつきながら陽一の入室を認めたので、私は心の中で舌打ちをする。
その一連を見ていた陽一は私にキスをして、他の女を全員切ると言った。
「なんであの時付き合わなかったの?」
「付き合おうって言われてないから」
「え、それだけ?」
「本当にそれだけ」
ももちゃんが心の底から呆れたようにはあ、というリアクションをくれる。
「じゃあ芹沢が付き合ってって言ったら、解決する問題なの?」
「だったら、陽一の首にキスマークがついてたり、人に言えないバイトしてたり、夜に知らない年上の女の人と歩いてたりしないよ」
ももちゃんは真剣そうに私を見つめて話を聞いていたけれど、「何やってんだあいつ」とあきれながら目をそらす。そして私にはそのリアクションが、すごくまっすぐ入ってきた。
ももちゃんの帰る方向との別れ道で私は手を振りながら、ああ替えの靴あったかな、と遠くの交差点を見つめた。
この二次災害について認識が甘かったのは、やっぱり愚かだ。
テストの日に限って寝坊、というテンプレートを毎度のごとくやってしまう私は、SHRが始まるギリギリのタイミングで教室へ駆け込む。
あれから数日間、私はローファーとスリッパを持ち歩くようになった。レベルの低いいじめには屈しないということだ。それでもやはり人間の醜い感情とは様々な引き出しがあるようで、私はまたため息をつく。机の上に花の刺さった花瓶が置いてある。
ああ私花言葉とか分からないから困りますよ、と思っていると担任が入ってくる。私の机を一瞥したのち、何も見ていないようにSHRを始めた。
陽一はまだ学校へ来ていない、テストの暇で遅刻とは大した野郎だ。私はとりあえずロッカーの上に花瓶を移動させて、帰りに花だけ捨てて花瓶は頂いてやろう、とたくらむ。
まあ気分のいいことをされているわけではい、それでもこれは有名な悪戯だ、こんなテンプレみたいなことしかできないんだろ!と思うと少しだけ優越感を勝たせることができる。
SHRが終わって、テストが始まる1分前になったところで陽一が登校してきた。先生が溜息をつきながら陽一の入室を認めたので、私は心の中で舌打ちをする。