そしてある朝いつも通り学校へ登校した私は、ノリくんの言っていた意味を理解する。靴箱に可愛らしいピンクの封筒が入っていたのである。
「告白かな!?」
「不幸の手紙だろ」
陽一に鋭い睨みで返事をすると、ワクワクしながら私は手紙を開いた。中には写真と一枚の便せんが入っている。便せんにはこう書かれていた。
「彼氏が居るのに他の男と遊ぶなんて最低。今すぐ芹沢先輩と別れてください。じゃなきゃ取り返しのつかないことになるから」
写真には、私とノリくんがファミレスの中で顔を近づけている様子が映っている。
―
「えええええ」
「何て書いてあったの?」
「いや、いやいや、やばいこの手紙。この手紙の中には勘違いしか存在してない」
何だろうこれ、脅しのつもりなんだろうか。写真のアングルが絶妙で、ノリくんは私のスマホに顔を寄せているだけなのにスマホはぎりぎり写ってないし、スマホを見ながらノリくんが私を見上げた一瞬がうまく撮られている。
これじゃ確かに訳ありに見えなくもない。けど、え、え?この写真が何の証拠なんだ?そして仮にこれが証拠として効力を持った場合、私は何か迷惑を被るのか?頭が悪いから考えても分からない!
陽一が覗き込もうとしてきたのでとっさに手紙を鞄の中にしまう。
「何だよ、隠し事かよ」
「付き合ってない人と別れるにはどうしたらいいかな???」
「はー?」
陽一の不可解そうな顔に今日はすごく共感できる。私もそんな気持ちだ。
「はー、災難だね、そりゃ」
教室に入ってももちゃんに写真を見せながら事情を説明すると、ももちゃんが少し笑いながらそう言った。
「え、これ災難なのかな?私はただ意味が分からないんだけど」
「セイラちゃんだっけ、やるなあ。2年に喧嘩売るなんて」
「なんで犯人が分かったの!?天才!?」
「いや、書いてあるじゃん。『芹沢先輩と別れろ』って」
―
ああ確かに、と気づく。差出人の名前が書いてないから匿名にしたいのかと思ったら、ちゃっかり先輩って書いちゃってる。じゃあ後輩の誰かか。だからと言ってセイラちゃんと決まったわけでは、と思いつつもセイラちゃんしか1年のことは知らないから、他に候補が出せない。
「こないだ、そのまま刺すかってくらいの勢いで飛鳥のこと見てたもんね」
「告白かな!?」
「不幸の手紙だろ」
陽一に鋭い睨みで返事をすると、ワクワクしながら私は手紙を開いた。中には写真と一枚の便せんが入っている。便せんにはこう書かれていた。
「彼氏が居るのに他の男と遊ぶなんて最低。今すぐ芹沢先輩と別れてください。じゃなきゃ取り返しのつかないことになるから」
写真には、私とノリくんがファミレスの中で顔を近づけている様子が映っている。
―
「えええええ」
「何て書いてあったの?」
「いや、いやいや、やばいこの手紙。この手紙の中には勘違いしか存在してない」
何だろうこれ、脅しのつもりなんだろうか。写真のアングルが絶妙で、ノリくんは私のスマホに顔を寄せているだけなのにスマホはぎりぎり写ってないし、スマホを見ながらノリくんが私を見上げた一瞬がうまく撮られている。
これじゃ確かに訳ありに見えなくもない。けど、え、え?この写真が何の証拠なんだ?そして仮にこれが証拠として効力を持った場合、私は何か迷惑を被るのか?頭が悪いから考えても分からない!
陽一が覗き込もうとしてきたのでとっさに手紙を鞄の中にしまう。
「何だよ、隠し事かよ」
「付き合ってない人と別れるにはどうしたらいいかな???」
「はー?」
陽一の不可解そうな顔に今日はすごく共感できる。私もそんな気持ちだ。
「はー、災難だね、そりゃ」
教室に入ってももちゃんに写真を見せながら事情を説明すると、ももちゃんが少し笑いながらそう言った。
「え、これ災難なのかな?私はただ意味が分からないんだけど」
「セイラちゃんだっけ、やるなあ。2年に喧嘩売るなんて」
「なんで犯人が分かったの!?天才!?」
「いや、書いてあるじゃん。『芹沢先輩と別れろ』って」
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ああ確かに、と気づく。差出人の名前が書いてないから匿名にしたいのかと思ったら、ちゃっかり先輩って書いちゃってる。じゃあ後輩の誰かか。だからと言ってセイラちゃんと決まったわけでは、と思いつつもセイラちゃんしか1年のことは知らないから、他に候補が出せない。
「こないだ、そのまま刺すかってくらいの勢いで飛鳥のこと見てたもんね」