霜田先輩は楽しそうに私の携帯を拾い、彼のポケットにしまった。そして満足したようにくっくっと笑う。
「ネミーとズミーだよ」
「小公女セイラか!!じゃなくて!!ここ出ましょう!!わたしネズミとカエルだけは無理なんです!!」
「冗談だよ、大丈夫。ちょっとここで話そうよ」
「いいいくら霜田先輩といえどネズミはちょっと……」
えー、と霜田先輩は、楽しそうな表情を崩さない。はい、その笑顔はとても素敵です、まったく私の恐怖心を気遣ってくれないにしても素敵です、とうっかりほだされそうになっているところで先輩は突然「俺は好きだよ」と言った。
「……好きだと言いました!?」
「うん」
「もう一回言ってください!できれば録音させてください!私も好きです!!」
「うん、俺はネズミ好きだよ」
「そっちかー!!」
勘違いして恥ずかしいな、っていうよりもネズミ好きだったんだ!
「俺のばあちゃん家さ、すごい田舎なんだけど、むかしネズミホイホイを置いてた時に」
あっまだネズミの話続けるんだ!ネズミホイホイって初耳だし!私は驚きを隠せないままもういっそ博愛主義としか思えない霜田先輩の優しそうな声に耳を傾ける。
「ネズミホイホイってGホイホイみたいなやつですか……?ホイホイ捕まるぜ的な」
「そうそう。そしたら次の日ネズミ一家で捕まってて」
「一家って」
「両親と子ども2匹。あれ見た瞬間に可愛くて好きになっちゃった」
な、なんでこんな話聞かされてるんだという気持ちと、霜田先輩の命あるものみんな愛してると言わんばかりの穏やかな口調が素敵だから結婚したいという気持ちが混ざっている。なんだこれ。
その時倉庫の外にいた先輩の連れの男の人が「来た!」と言った。それに混ざって一瞬だけ、ノリくんの黙ってみてるけどすごく不愉快そうな顔が視界に入る。それと同時に霜田先輩が私の腕を引く。え、と思った時には霜田先輩の顔がかなり至近距離に来ていた。
白い陶器のような美しいお顔が私の顔のすぐそばまできている――なんて
「イヤアアア」
やばいです先輩死んでしまいます!!血管破裂です、内臓破裂です!!ものすごく逃げ出したい気分になって叫ぶが、なんと先輩が私の腕を強く掴んでいるため離れられない。これじゃ本当に……いや、私は段階を踏みたい系乙女なんですけど……!!
「ネミーとズミーだよ」
「小公女セイラか!!じゃなくて!!ここ出ましょう!!わたしネズミとカエルだけは無理なんです!!」
「冗談だよ、大丈夫。ちょっとここで話そうよ」
「いいいくら霜田先輩といえどネズミはちょっと……」
えー、と霜田先輩は、楽しそうな表情を崩さない。はい、その笑顔はとても素敵です、まったく私の恐怖心を気遣ってくれないにしても素敵です、とうっかりほだされそうになっているところで先輩は突然「俺は好きだよ」と言った。
「……好きだと言いました!?」
「うん」
「もう一回言ってください!できれば録音させてください!私も好きです!!」
「うん、俺はネズミ好きだよ」
「そっちかー!!」
勘違いして恥ずかしいな、っていうよりもネズミ好きだったんだ!
「俺のばあちゃん家さ、すごい田舎なんだけど、むかしネズミホイホイを置いてた時に」
あっまだネズミの話続けるんだ!ネズミホイホイって初耳だし!私は驚きを隠せないままもういっそ博愛主義としか思えない霜田先輩の優しそうな声に耳を傾ける。
「ネズミホイホイってGホイホイみたいなやつですか……?ホイホイ捕まるぜ的な」
「そうそう。そしたら次の日ネズミ一家で捕まってて」
「一家って」
「両親と子ども2匹。あれ見た瞬間に可愛くて好きになっちゃった」
な、なんでこんな話聞かされてるんだという気持ちと、霜田先輩の命あるものみんな愛してると言わんばかりの穏やかな口調が素敵だから結婚したいという気持ちが混ざっている。なんだこれ。
その時倉庫の外にいた先輩の連れの男の人が「来た!」と言った。それに混ざって一瞬だけ、ノリくんの黙ってみてるけどすごく不愉快そうな顔が視界に入る。それと同時に霜田先輩が私の腕を引く。え、と思った時には霜田先輩の顔がかなり至近距離に来ていた。
白い陶器のような美しいお顔が私の顔のすぐそばまできている――なんて
「イヤアアア」
やばいです先輩死んでしまいます!!血管破裂です、内臓破裂です!!ものすごく逃げ出したい気分になって叫ぶが、なんと先輩が私の腕を強く掴んでいるため離れられない。これじゃ本当に……いや、私は段階を踏みたい系乙女なんですけど……!!