今日は、久々の大学に登校だ。
就職決まって行ってなかったから、お世話
になった先生方に挨拶しなくちゃな。
 それはいいものの授業の単位がヤバイ。
 古本屋『松岡』でバイトと就職活動を始め
てから授業をまともに受けていない。
 なので、私が取っている授業は出席日数を
重視している授業が多いため単位が落ちる可
能性が高いのだ。
 ヤバイ。
 就職はできたけど、大学卒業出来ないかも。
 そう思って授業に向かおうと歩いていたら、
陽琉と一人の女性が声をかけてきた。
 夏帆だった。
 久しぶりに見たが、何も変わっていない。
 清楚で美しくて裏表がない。
 何も。
「久しぶり。陽琉が来なかったから寂しかっ
たよ。何してたの!」
 何してたのって。分かってるのに、私の口
から言わせるの。
「……いや、まあ就活とバイト」
 私は素直に答えた。
「そっか。頑張ってるんだね」
 夏帆は、就活のことは何も言ってこない。
 前は言ってきたのに、私に気を遣っている
のか?
 夏帆らしくない。どうしたんだろう?
「なんかあった?」
「……え? なんで」
 夏帆は、目を瞬きして私を見た。
「いや、なんか夏帆らしくないっていうか…
…」
 私がそう言ったら
「……陽琉―! 聞いて!」
 私に抱きつき何かを言いたげであった。私
達は、ひとまず授業が行われる教室へと行き、
夏帆に話を聞いた。
 彼氏と別れたらしい。
 彼氏は夏帆に内緒で浮気をしていて、その
彼氏はなんとその女性が妊娠してしまったの
で、別れてくれと言われたらしい。
 なんと勝手な人だ。
 夏帆から聞いていて、いい人だと思ってい
たのに何なんだ。
 その彼氏、私が彼女だったら即効殴る。夏
帆は、泣いていた。
 私は、夏帆が思っていることを彼氏に話し
てみたらいいのではないかと提案した。
 夏帆は泣き止み、うんと頷いていたが、涙
を堪えているように見えた。
 アドバイスができるのは、この前の件があ
ったからだ。
 どうしたらいいか悩んでいる時に、アドバ
イスをくれた言葉。
 今、やるべきことをやる。
 その言葉があるから。
 今は、何をすればいいか自分でわかる気が
したのだ。
 私は糞つまらない授業を淡々と受けて、私
は古本屋『松岡』に向かった。
 今日は、古本屋『松岡』でバイトはないが