イトもして貯めて、絶対にカメラマンになる
から」
コバさんは、間をおかずに一気に言ったせ
いかはあはあと息を切らしていた。
「……コバの言っていることはわかった。前
にも言ったけどお金は気にするな。違うバイ
トもしてもかまわない。絶対、カメラマンに
なるから、コバは大丈夫。頑張ろうぜ!」
そう言って松岡さんは笑顔で左手に持って
いる袋を上に上げて、飲むか? と言った。
コバさんは、コクリと首で頷いていた。
「でも、その前に陽琉に謝りな」
松岡さんは私を見て、ウィンクをしていた。
コバさんは、私の方向を向き直して、頭を
掻いて照れているのか下を俯きつつ言った。
「……ゴメン。でもお前には関係ないからな」
「コバ―」
松岡さんは、コバさんの名前を言ってから
がっかりしている様子であった。
くるみさんはコバさんの反応にすぐ応えて、
コバさんの行為を楽しそうにケラケラ笑って
いた。
「あはは、コバは、本当に女性には冷たすぎ
だろう。はあーおもしろ」
「うるせぇよ。早くビール呑もうぜ! って
か、俺の分、ちゃんとあるだろうな」
右足を床に叩きつけてコバさんは、ビール
のポーズをしていた。
くるみさんは顔を上げて私たちを見下ろす
ようにして伺っていた。
「私の分もあるでしょうね? コバだけある
なんてヤダわよ」
「……お前ら。自分のことばっかり。陽琉も
一緒に呑まないか?」
松岡さんは、コバさんとくるみさんの話を
無視して私の方を見て言っていた。
コバさんとくるみさんは、私のことを見て
きた。
「え、あ、え」
松岡さんは、私の様子を見て可笑しいと思
ったのか、周りを見始めた。
「お前ら、陽琉を見るんじゃないよ。困って
んじゃないか」
「えー? 陽和、ズルイ。陽琉、ばっかり。
私の彼氏なのに」
くるみさんは、甘い声で松岡さんの右腕を
がっしりと掴んでいた。
「くるみ、俺はお前の彼氏になった覚えなん
てないぞ」
くるみさんの彼氏は松岡さんじゃないの?
なんで、彼女は私に嘘を。私は彼女を見た。
彼女は私をチラリと見てから一切動揺せず
になにか、私したかしらという表情をしてい
た。私はその表情に、身体が硬直した。私も
女だけど、女って怖いとその時思った。
「それより、陽琉呑もう。せっかくのいい機
から」
コバさんは、間をおかずに一気に言ったせ
いかはあはあと息を切らしていた。
「……コバの言っていることはわかった。前
にも言ったけどお金は気にするな。違うバイ
トもしてもかまわない。絶対、カメラマンに
なるから、コバは大丈夫。頑張ろうぜ!」
そう言って松岡さんは笑顔で左手に持って
いる袋を上に上げて、飲むか? と言った。
コバさんは、コクリと首で頷いていた。
「でも、その前に陽琉に謝りな」
松岡さんは私を見て、ウィンクをしていた。
コバさんは、私の方向を向き直して、頭を
掻いて照れているのか下を俯きつつ言った。
「……ゴメン。でもお前には関係ないからな」
「コバ―」
松岡さんは、コバさんの名前を言ってから
がっかりしている様子であった。
くるみさんはコバさんの反応にすぐ応えて、
コバさんの行為を楽しそうにケラケラ笑って
いた。
「あはは、コバは、本当に女性には冷たすぎ
だろう。はあーおもしろ」
「うるせぇよ。早くビール呑もうぜ! って
か、俺の分、ちゃんとあるだろうな」
右足を床に叩きつけてコバさんは、ビール
のポーズをしていた。
くるみさんは顔を上げて私たちを見下ろす
ようにして伺っていた。
「私の分もあるでしょうね? コバだけある
なんてヤダわよ」
「……お前ら。自分のことばっかり。陽琉も
一緒に呑まないか?」
松岡さんは、コバさんとくるみさんの話を
無視して私の方を見て言っていた。
コバさんとくるみさんは、私のことを見て
きた。
「え、あ、え」
松岡さんは、私の様子を見て可笑しいと思
ったのか、周りを見始めた。
「お前ら、陽琉を見るんじゃないよ。困って
んじゃないか」
「えー? 陽和、ズルイ。陽琉、ばっかり。
私の彼氏なのに」
くるみさんは、甘い声で松岡さんの右腕を
がっしりと掴んでいた。
「くるみ、俺はお前の彼氏になった覚えなん
てないぞ」
くるみさんの彼氏は松岡さんじゃないの?
なんで、彼女は私に嘘を。私は彼女を見た。
彼女は私をチラリと見てから一切動揺せず
になにか、私したかしらという表情をしてい
た。私はその表情に、身体が硬直した。私も
女だけど、女って怖いとその時思った。
「それより、陽琉呑もう。せっかくのいい機