を着ていた。ゴムを結んでいた長い髪はおろ
されていた。
 彼女の体型に目を奪われた。
 鎖骨、長い脚、長い手、整えられた顔。
 八頭身もあるかと思われる体型を中年集団
と昇哉は、カメラを握りしめて真剣な眼差し
で彼女を撮っていた。
 その光景を見ると、ちょっと気持ち悪い。
 昇哉は真面目な雰囲気とはガラリと印象が
変わり、いいね、はい―こっちと明るい声で
彼女に言っていた。
 また、後ろにいた昇哉は中年集団を横切り、
前を陣取っていた。
 中年集団は、なんだよ、俺が前だと言わん
ばかりに前でパシャパシャとカメラのシャッ
タ―を切っていた。
「いいね」
 中年集団と昇哉は声を揃えて、我を忘れる
くらいに夢中になっていた。彼女の写真を良
いものにしようと必死なのだと感じられた。
 だがこの写真を撮ってどうするのかよく分
からないが、みんな狂うようにシャッタ―を
切っていた。
 パシャパシャとシャッタ―音が聞こえる中、
中年集団と昇哉のこっち向いて―という声が
響き渡っていた。
 すると、五分後。
「今日の分は、終了―!お疲れ」
 昇哉は、カメラをパシャと一枚撮ったら、
中年集団に呼びかけた
「お疲れ―」
 中年集団も昇哉に言って、カメラを片付け
ていた。
 くるみさんはみんなに一礼をして居間に入
って、彼らが片づけをしている最中に彼女は
着替えを済ませるようだ。
 中年集団と昇哉は、カメラをカバンにしま
い、帰り支度をし始めた。
 しかし帰り支度を始める中、早下さんは、
中年集団の一人と話をしていた。
「どうだった? 今日もいいけど、先月の方
が良かったかもな。まぁこれで、事務所に入
れるか分からないけどな」
 早下さんはカメラを繰り返し見ながら、中
年集団の一人に同意を求めていた。
「確かにな。くるみちゃん。大手企業の事務
所しか興味ないからな。俺達は、子会社だか
らな、でも、一人だけ大手企業の人はいるけ
どな」
 中年集団の一人が後ろを振り向いて、見た
のが、昇哉だった。
「確かに……俺ら、くるみちゃんに入ってほ
しいんだけどな。それを思って、五年か。短
いような長いような……でも、希望は持とう
ぜ。俺ら」
 中年集団の一人は、早下さんにポンと肩に
置き慰めていた。
 よほど耳が良いのかその話を聞いていた昇