私は入試を終えて家に帰るとすぐにある場所へ向かった。

あいつの家だ。

"あいつ"は地元の高校に行くからもう家にいるはず。
インターフォンを押す。
"あいつ"が家から出てきた。
「何の用?」
疲れた顔で"あいつ"はそう言った。

私は深呼吸して覚悟を決める。

あたりまえなんてあるわけ無いんだ

世界は奇跡でできている

誰かに私の運命が決められていても

そんなものはくそくらえだ

もし、運命に決められた道なら

どれだけ安全な道でも絶対に歩かない

自分の道を自分の足で

あたりまえを拒否して歩いていく

だから、



『太一、大好きです』