「お慶ちゃん、ご飯は?」

「帰ってから食べようかと」

「あら、食べて行きなさいよ」

「そらなんぼなんでも失礼ですから」

「いや、たまには私だって男の人と食事したいわよ。ねえ」

 もとは芸者でもあった操だけに、そこは男のさばきかたがうまい。

「…じゃあ、少しだけお言葉に甘えまして」

 慶はあがるはめになった。