二月十四日になった。

 夕方、萌々子は紙袋を手に桜木町の駅で駿太郎を待っていたが、別の女子高に通っていた女友達からメールが来た。

「シュンくんがギャルと、根岸線に乗ったのが見えた」

 一応、萌々子は真偽を確かめるべく桜木町の駅の改札をくぐり、根岸線のプラットホームに立った。

 根岸線の青電車が来た。

 ドアが開いた。

 見えない。

 次かも知れないというので待とうとした。

 が。

 最後尾のいちばん後ろに、見馴れた校章のカバンとギャルが見えた。

 乗った。

 ドアが閉じた。

 こっそり覗くと、駿太郎がギャルと親しげに話しているのが見える。

 横浜駅では降りない。

(どこまでゆくんだろう)

 萌々子はつけることにした。