慶は黙って聞いていた。

 が、

「これは個人的な見解やけども」

 と前置きした上で、

「おれは萌々子ちゃんがどんな洋服着てようが、別に気にならんけどな」

「でも男の人って、あちこち変に周りとかプライドあるからか気にするじゃん」

「それは東京の流儀やな、おれからすれば」

「そぉ?」

「大阪なんか、プライドもヘッタクレもないで。みんな好きな服着よる」

「それで大阪ってオバサンみんなヒョウ柄なのかな…」

「少なくとも個性的やし、可愛らしいし、似合ってるしでえぇと思うけどな」

 見栄を張る彼氏さんの気持ちも分からんではないけど、と慶はいった。