……? 香織さん?
香織さんが突然、私のことをじっと見つめだした。
私の顔に何か付いているのだろうか、私は少し心配になった。
そのとき。
「杏樹ちゃんって……」
香織さんが私の顔をじっと見ながら口を開いた。
香織さんは私に何を言おうとしているのか、私は緊張しながら香織さんが話の続きを言うのを待つ。
「さっきから思ってたんだけど……」
香織さん‼ 一体何を言おうとしているの⁉
ためないで早く話して‼
私の中でそんな気持ちが膨れ上がっていた。
そのとき。
「似てる」
え……?
似てるって誰に⁉
「お姉ちゃんに」
お姉ちゃんって、架純さんのこと?
「ほんとだ。杏樹ちゃん、架純お姉ちゃんに似てるよ」
来未さんも香織さんのいうことに大きく頷いた。
「ものすごくそっくりとかではないんだけど、なんとなくこう、見た感じというか、雰囲気というか、話し方というか、全体的にふわっと似てる」
香織さんは分析するようにそう言った。
「あら、なんか照れちゃうわね」
笑顔で言う、架純さん。