「うん……だって、奏があまりにも恋愛が下手だったから」
「だそうです……」
入間さんの方を見ると、なんとも言えない表情で君島さんを見ていた。
「僕は……いつもオマエが遊び半分で僕の好きな人に告白してるのかと思っていた」
「ゴメン……それは謝るよ、結果的にいつも僕が付き合う事になったのも……ゴメン」
「いや、僕が冷たくした子達にオマエがわざわざフォローしていたのも知っていた……本当は良いヤツなんだって……だから、オマエに奪われてもしょうがなかった」
「ゴメン……」
「でも、長浜は、彼女だけはダメだ……やっと、ちゃんと面と向かって好きだって言える人なんだ……だから……」
「大丈夫だよ~心配しなくても彼女にはフラれたし……」
「えっ? 私……」
私はまだ返事をしていなかったハズだ。
「キミにも迷惑かけてゴメン……最初に言った時点で、YESじゃなかったからちょっとホッとしたんだ、そのあと奏の事を引き換えに出したのは、後ろで隠れて聞いてた奏が出て来るかなって思ってね」
「後ろに? 入間さんいたんですか!?」
「ああ……すまない、長浜が心配で……様子を見させてもらっていた……」
「初めてだよ、奏が僕の作戦通りの行動をしてくれたの」
入間さんはすかさずバシっと、君島さんの肩を叩いた。
「何を自慢げにしてるんだ!? 僕は、オマエがそんな事してくれなくても長浜にもう告白したんだ」
「えっ!? そうなの!?」
「そうだよ、だからこんな事しなくたって……」
「それで、結果は? だってまだ彼女付き合ってないって言ってたから……だって長浜さん奏の事好きなんだよね!?」
「えっ?」
「なっ!?」
私は思わず声を上げた。
君島さん……もしかしてこの人、何気にそういうのに鋭いのかも……。
「そんな事は……」
そう言って入間さんは口ごもった後、胸ポケットに入れていたメガネをかけてから私を見た。
「………………えっ!?」
そして、驚きの表情で私を見つめる。
私も入間さんの目を見つめ返した。
「……私の好感度上がってましたか?」
私は今度こそハッピーエンドをクリア出来たみたいだ……