私は念の為、確認した。
もしかしたら、私の好感度数値と違って、入間さんのは50が最高値かもしれない。
いや、それでも2はカナリ低いけど……。
「多分、あのゲームと同じで99じゃないかな? 96って人がいたから」
「あっ、そうなんですか……」
なんだか、ちょっと申し訳ない気分になった。
「な、なんかすみません……」
「いや、僕がそれだけ嫌われるような態度を長浜にとってたって事だろうから」
そう言って少し寂しそうに笑う。
「あっ、で、でも今少しは上がったんじゃないですかっ!?」
私はあまりにしょぼくれる入間さんを元気づけようと、なんとかフォローしていた。
「長浜……」
「そっ、その……悪気は無いって、今の入間さんの話で私も理解しましたし……」
「うん、ありがとう長浜……今ようやく5になったよ」
低っ!!
やっぱ低っ!!
どういう事??
私、そんなに入間さんへの好感度無いの?
「少しずつだけど、選択肢のおかげで長浜に対して僕もちゃんと対応出来るようになってきた気がするんだ」
「入間さん……」
今なら、今なら入間さんの気持ちが私にもわかる。
私も恋愛が苦手だから……
好きだって思うといつも自分の素を出せなくなって……結果、本やネットの恋愛マニュアルに左右されて……
『思ってたのと違う……』
そう、言われてしまった。
ガンバろうとすると、なんだか空回りしてしまう。
上手く自分を出せずに、相手に嫌われてしまって……
今の入間さんは、昔の私と同じ気がする。
そう思うと、肩を落として小さくなってる入間さんを私は自分でもおかしいとは思うが、助けてあげたくなってしまった。
「入間さん、私が力になります」
「えっ……?」
「二人で協力して、私の好感度を上げましょう!」
「へっ?」
突然の申し出に入間さんは戸惑っていた。
それはそうだろう、何せ攻略対象である私が自ら協力したいと申し出ているのだ。
言ってる自分もわけがわからない。
でも……
「私、その……入間さんの事今まで誤解していて……だからその……ちゃんと入間さんを知ればきっと、もう少しくらいは好感度上がると思うんです! 私の……」
「長浜……いいのか?」
「はいっ! 私、頑張って自分の好感度が上がる様に、入間さんにアドバイスしますので」
「あっ、ありがとう! 長浜!!」
こうして、私と入間さんはよくわからないが〖私の好感度を上げる〗という謎の共通目標を持ち、協力関係となった。