「えっ……まあ、それは……そうだけど」
「なら、ちゃんと入間さんは入間さんとして今日は私と過ごしてくれてたトコロもあるんですよね?」
「……うん」
「それに、考えようによっては選択肢だって入間さんが自分の意思で選んだって事じゃないですか?」
「そっ、それは……そうだけど」
私は思った。
確かに、選択肢で多少誘導されての結果だったとしても、それが無ければこうして入間さんと一緒に過ごす事は無かったろうし、本当の彼を知る機会だって一生無かったかもしれない。
それなら、今は選択肢が介入したからの結果でもいいのでは無いのだろうか?
それに私も、選択肢を選んだのは自分の意思で、何かに促されたワケではない。
それなら、きっと……
入間さんも自分の意思があって選んだ事だと思う。
「それとも、入間さんは攻略サイトでも見て選択を選んだんですか?」
私のその質問に、彼は吹き出していた。
「ふっ……いや、さすがにその発想は無かったな、あったら何十分も悩んだりしなかった」
「ですよね、だから謝る事なんて……ないです」
「ありがとう長浜……」
私はその時、なんとも言えない胸の高鳴りを覚えていた。
私と同じように不器用な入間さん、けれど本当はまっすぐでとても真面目な人。
久々のときめきとも言えるこの感情に、私は……
すぐに、コレが見えてしまっている事に気づく。
「はっ!? あっ、違っ……」
自分の頭の横辺りをブンブンと片手を振って、彼の視界を遮ろうとした。
「……? どうかしたの?」
「いっ、いえ……その……」
そして、自分の行いに我に返り、恥ずかしくなって俯く。
「良かった……変な話ししたから長浜に嫌われるんじゃないかって思ってたんだ」
安堵のため息を入間さんは吐いていた。
(ん? 普通、好感度上がったらもっと喜ぶ反応をするモノでは……)
私はなんだか彼のその様子に、今の自分の入間さんへの好感度の数字が、一体どのくらいなのかが気になって来ていた。
けれど、こんなの自分で聞くのも変な話しだ。
「実は、コレ以上下がったらどうしようか不安だったんだ……崖っぷちだったから」
「崖っぷち?」
「うん、長浜の僕への好感度……2だったから」
「……2?」
「そう……2」
低っ!!
私の入間さんへの好感度低っ!!
「すいません、それって何段階評価ですか?」