働くのはいつからでもいいと紅は言ったがのぞみはその日から働くことにした。のぞみの荷物は短大の学生寮から持ってきたスーツケース一つで、引越しなどという大げさなことは必要ないし、アパートに一人でいてもやることがないからだ。
もともとのぞみはじっとしているのが苦手なたちで、しぶしぶでもなんでも働くことになったのなら、早く職場に慣れたいと思う。
そして、午後四時少し前。
保育園へ向かうためアパートの部屋を出ようと扉を開けたのぞみの目に飛び込んできたのはかの子の姿だった。廊下に座って、くすんくすんと泣いている。
「かの子ちゃん?」
のぞみはびっくりして駆け寄った。
「どうしたの?」
「お母さん、お仕事行っちゃった…」
もともとのぞみはじっとしているのが苦手なたちで、しぶしぶでもなんでも働くことになったのなら、早く職場に慣れたいと思う。
そして、午後四時少し前。
保育園へ向かうためアパートの部屋を出ようと扉を開けたのぞみの目に飛び込んできたのはかの子の姿だった。廊下に座って、くすんくすんと泣いている。
「かの子ちゃん?」
のぞみはびっくりして駆け寄った。
「どうしたの?」
「お母さん、お仕事行っちゃった…」