「今日から、新しい子どもが入るんだ」
こづえがいなくなったのぞみの部屋で、かの子と一緒におやつをかじりながら紅が言った。
のぞみは出勤前の準備としてエプロンをつけようとしていた手を止めて振り返る。
「新入園児ですか?」
「そう」
「へえ…」
夏に差しかかろうとするこんな時期に珍しい…という気がしたが、よく考えてみればあやかしの仕事には年度は関係ないかとのぞみは思い直す。
だがそれよりも意外なことを紅が言った。
「先月までは、隣町の夜間保育園に通っていたんだそうだよ」
「隣町のって…、隣町にもあやかしの保育園があるんですか?」
のぞみが尋ねると、紅はいいやと首を振った。
「人間の保育園だよ」
「え?じゃ、もしかして人間の子ですか」
のぞみの言葉に紅は今度はうんと頷いた。
こづえがいなくなったのぞみの部屋で、かの子と一緒におやつをかじりながら紅が言った。
のぞみは出勤前の準備としてエプロンをつけようとしていた手を止めて振り返る。
「新入園児ですか?」
「そう」
「へえ…」
夏に差しかかろうとするこんな時期に珍しい…という気がしたが、よく考えてみればあやかしの仕事には年度は関係ないかとのぞみは思い直す。
だがそれよりも意外なことを紅が言った。
「先月までは、隣町の夜間保育園に通っていたんだそうだよ」
「隣町のって…、隣町にもあやかしの保育園があるんですか?」
のぞみが尋ねると、紅はいいやと首を振った。
「人間の保育園だよ」
「え?じゃ、もしかして人間の子ですか」
のぞみの言葉に紅は今度はうんと頷いた。