「なんだよ……コレ…………ワケわかんねーよ」
「ま、待ってください! だって、昨日私達沢渡さんに学校で会ったんですよ?」
藤乃さんは不思議そうな顔をしていた。
「昨日? そんなはずないわ、沢渡君はここ最近は外出禁止で、確かに昨日は調子が良さそうで起き上がったりはしてたけど、でも今朝、急変して……」
「そんな……」
コレもまた、沢渡さんの悪いクセでまた犬神先輩を騙そうって事かもしれない。
多分、そうだ……でも、それなら早く嘘だって言って欲しい。
だって、大好きな犬神先輩がこんなに辛そうな姿、私はこれ以上見たくない。