「塾かあ、いまさら行っても間に合わないって」
3年の杉本美咲は今日から通うことになった塾の入り口でぼやいていた。高校は楽しく毎日退屈することなくやりたいことを暮らしていたら、その付けが今になって回ってきてしまった。
国立などはもともと候補には入っていないのだが、地元の大学に行けたらいいかなと思っていた。しかし、つい最近の模試ではその大学ですら危うい位置になっていた。私は別の行けるところに選びなおしたらいいと考えていたのだが、親に大学には変えるなと言われ、ついぞには塾に入れられてしまった。
「まあ、1回入ってみて合わなかったとか、適当に言い訳付ければいいか」
「すみません、そこどいてもらっていいですか?」
「あ、すみません」
入り口でうだうだしていたら、あとから入ってくる人の邪魔になってしまっていた。ササっと入り口の端によける。私が入ると後から来た人は、さっさと入っていった。
我ながら私はなんて安い人間なんだろうと思った。今入っていった人が自分の好きなタイプとがっちりあってしまったのだ。だから、彼仲良くなるには考えた結果、この塾にもさらっと入れたし、何があってもやめないことが確定してしまった。たった一人の男の顔だけで。
塾は衝立で区切られた席に座って一人の先生が3人を見ると方式だった。一つの部屋に席はいくつもあって、すべて衝立で区切られているため見渡しても、彼がいるかどうかは確認できなっかった。
時間になると初めての私はここの利用の仕方やどの大学を目指すのかのすり合わせを塾の講師と行い、終わったところですぐさま勉強に移った。最初のうちは1年と2年の復習だったが、いきなりつまずいた私は彼のことなど考えている暇なんてなくなっていた。
「ああ、もう帰ったのかな?」
今日は一コマしか入れてなく、授業が終わり次第急いで玄関に向かった。しかし、次のコマの開始の時間になっても彼は現れなかった。もう一コマ、彼は取っていたのかもしれないと思った私は次の時間まで自習室にいることにした。親には「勉強してからかえる」と、適当にメッセージを入れておいて自習室に向かう。
自習室は想像以上に静かだった。自習室が静かなのは当たり前なのだが、ちらっと見た範囲では誰もスマホを触っていなかった。その圧に当てられてしまった私は今日出た宿題をやるしかなかった。最初のうちは周りに気が散ったが、残りは真剣に宿題と向き合っていた。
一旦、一区切りが済んだところでスマホを開くと次の最後のコマが始まる時間になっていた。私が入ってきた時よりも圧倒的に人が減っていた。この自習室の机も板で仕切られているが、背丈は低くなっているので一回立つことで、端までは分からないがほぼ部屋の様子を確認することができた。今日は最後のコマの終了時間に会えるとこを期待して、またここで待つことにした。
今回はコマ終了の時間前に宿題が終わった。なので、余裕持って入り口に向かうことができた。スマホで時間を見計らって、自習室を出る。
でも、塾の入り口に行く前に彼を見付けることができてしまった。私が自習室から出ようとしたとき、同じタイミングで机をから立った人が、あの彼だった。さすがに自習室内で話すわけにはいかないので、自習室から出たところで彼を待った。
「あの、待ってください」
彼が、自習室から出たところで声をかけた。しかし、彼は自分が呼び止められているのに気づいていないらしく歩いていってしまう。
「あの、そこの人待って!」
「僕に何か用ですか?」
二回目で彼は立ち止まってくれた。こちらに振り返った顔を確認し、間違いなく塾に入る前に見た人であることを確信した。
「あのっ、いきなりですが私の彼氏になってくだし!」
「ほんとにいきなりですね」
彼は何言ってるのか理解できないと言った顔で言葉を返してくる。
「あと、あなた高校生ですよね」
「はい、そうですけど」
「僕、中学生なのでからかうのはやめてください」
そう言った後、彼は迎えが来ているのでと言い残し、塾から出て行ってしまった。ちょうどその時、私のスマホに母親から迎えがいるかと尋ねるメッセージが来たので「今すぐ、欲しい」とだけ返した。
私はとんでもない人に恋をしてしまったのかもしれない。中学生ということは私と彼の間には最低でも3年の年の差が存在していることになる。相手が私服だったので高校生なもんだと思っていた。
その現実を知ってしまっても、幸か不幸か子も気持ちに変化は現れなかった。むしろ、高校生でないのならまだ彼女なんていないだろと淡い期待まで抱いてしまった。よし何を使ってでも落としてやると言った気持になった。
親から塾についたと連絡が入ったので、急いで塾から出た。
「どう?塾続けられそう?」
「大丈夫、絶対やめないから」
親の質問にはそう答えた。親も私がやる気になってくれたと喜んでくれたし、私も彼との接点を持ち続けることができた。
私は、今日のほかにあと二つ塾を入れていたのだが彼と会うことはなかった。けれど彼は塾に来ているが時間がずれていたのかもしれないし、そもそもこの日が入っていないのかもしれない。今のところ、どっちが正しいかは分からなかった。なので、彼に確実に合えるのは一日しかなかった。
同じ年の人と付き合ったことはあるが、年下と付き合ったことなんてなかった。ネットで色々と検索してみたが、どこにもこれだと思えるものは載っていなかった。
塾の宿題は自習室で、彼と会うために張っているときに終わらせていた。なので、家に帰ったら彼を落とすことための方法を考える時間に充てることができた。そんな間に、彼に初めて会ってから1週間がたち彼に会える日が訪れた。
今週の作戦はまず、名前を聞き出すことを目標に動くと決めた。あわよくば、連絡先も貰ってしまう作戦を立てた。塾には時間の余裕を持っていき、彼が先に塾に入ってしまわないようにする。
その作戦が功を奏したのか、まずノルマである彼を塾には入る前に見つけるを達成することができた。私は彼の後ろにバレないよう回り込む。
「あ、先週の!奇遇だね、今日は塾なの?」
私的には最高の入り込みだった。
3年の杉本美咲は今日から通うことになった塾の入り口でぼやいていた。高校は楽しく毎日退屈することなくやりたいことを暮らしていたら、その付けが今になって回ってきてしまった。
国立などはもともと候補には入っていないのだが、地元の大学に行けたらいいかなと思っていた。しかし、つい最近の模試ではその大学ですら危うい位置になっていた。私は別の行けるところに選びなおしたらいいと考えていたのだが、親に大学には変えるなと言われ、ついぞには塾に入れられてしまった。
「まあ、1回入ってみて合わなかったとか、適当に言い訳付ければいいか」
「すみません、そこどいてもらっていいですか?」
「あ、すみません」
入り口でうだうだしていたら、あとから入ってくる人の邪魔になってしまっていた。ササっと入り口の端によける。私が入ると後から来た人は、さっさと入っていった。
我ながら私はなんて安い人間なんだろうと思った。今入っていった人が自分の好きなタイプとがっちりあってしまったのだ。だから、彼仲良くなるには考えた結果、この塾にもさらっと入れたし、何があってもやめないことが確定してしまった。たった一人の男の顔だけで。
塾は衝立で区切られた席に座って一人の先生が3人を見ると方式だった。一つの部屋に席はいくつもあって、すべて衝立で区切られているため見渡しても、彼がいるかどうかは確認できなっかった。
時間になると初めての私はここの利用の仕方やどの大学を目指すのかのすり合わせを塾の講師と行い、終わったところですぐさま勉強に移った。最初のうちは1年と2年の復習だったが、いきなりつまずいた私は彼のことなど考えている暇なんてなくなっていた。
「ああ、もう帰ったのかな?」
今日は一コマしか入れてなく、授業が終わり次第急いで玄関に向かった。しかし、次のコマの開始の時間になっても彼は現れなかった。もう一コマ、彼は取っていたのかもしれないと思った私は次の時間まで自習室にいることにした。親には「勉強してからかえる」と、適当にメッセージを入れておいて自習室に向かう。
自習室は想像以上に静かだった。自習室が静かなのは当たり前なのだが、ちらっと見た範囲では誰もスマホを触っていなかった。その圧に当てられてしまった私は今日出た宿題をやるしかなかった。最初のうちは周りに気が散ったが、残りは真剣に宿題と向き合っていた。
一旦、一区切りが済んだところでスマホを開くと次の最後のコマが始まる時間になっていた。私が入ってきた時よりも圧倒的に人が減っていた。この自習室の机も板で仕切られているが、背丈は低くなっているので一回立つことで、端までは分からないがほぼ部屋の様子を確認することができた。今日は最後のコマの終了時間に会えるとこを期待して、またここで待つことにした。
今回はコマ終了の時間前に宿題が終わった。なので、余裕持って入り口に向かうことができた。スマホで時間を見計らって、自習室を出る。
でも、塾の入り口に行く前に彼を見付けることができてしまった。私が自習室から出ようとしたとき、同じタイミングで机をから立った人が、あの彼だった。さすがに自習室内で話すわけにはいかないので、自習室から出たところで彼を待った。
「あの、待ってください」
彼が、自習室から出たところで声をかけた。しかし、彼は自分が呼び止められているのに気づいていないらしく歩いていってしまう。
「あの、そこの人待って!」
「僕に何か用ですか?」
二回目で彼は立ち止まってくれた。こちらに振り返った顔を確認し、間違いなく塾に入る前に見た人であることを確信した。
「あのっ、いきなりですが私の彼氏になってくだし!」
「ほんとにいきなりですね」
彼は何言ってるのか理解できないと言った顔で言葉を返してくる。
「あと、あなた高校生ですよね」
「はい、そうですけど」
「僕、中学生なのでからかうのはやめてください」
そう言った後、彼は迎えが来ているのでと言い残し、塾から出て行ってしまった。ちょうどその時、私のスマホに母親から迎えがいるかと尋ねるメッセージが来たので「今すぐ、欲しい」とだけ返した。
私はとんでもない人に恋をしてしまったのかもしれない。中学生ということは私と彼の間には最低でも3年の年の差が存在していることになる。相手が私服だったので高校生なもんだと思っていた。
その現実を知ってしまっても、幸か不幸か子も気持ちに変化は現れなかった。むしろ、高校生でないのならまだ彼女なんていないだろと淡い期待まで抱いてしまった。よし何を使ってでも落としてやると言った気持になった。
親から塾についたと連絡が入ったので、急いで塾から出た。
「どう?塾続けられそう?」
「大丈夫、絶対やめないから」
親の質問にはそう答えた。親も私がやる気になってくれたと喜んでくれたし、私も彼との接点を持ち続けることができた。
私は、今日のほかにあと二つ塾を入れていたのだが彼と会うことはなかった。けれど彼は塾に来ているが時間がずれていたのかもしれないし、そもそもこの日が入っていないのかもしれない。今のところ、どっちが正しいかは分からなかった。なので、彼に確実に合えるのは一日しかなかった。
同じ年の人と付き合ったことはあるが、年下と付き合ったことなんてなかった。ネットで色々と検索してみたが、どこにもこれだと思えるものは載っていなかった。
塾の宿題は自習室で、彼と会うために張っているときに終わらせていた。なので、家に帰ったら彼を落とすことための方法を考える時間に充てることができた。そんな間に、彼に初めて会ってから1週間がたち彼に会える日が訪れた。
今週の作戦はまず、名前を聞き出すことを目標に動くと決めた。あわよくば、連絡先も貰ってしまう作戦を立てた。塾には時間の余裕を持っていき、彼が先に塾に入ってしまわないようにする。
その作戦が功を奏したのか、まずノルマである彼を塾には入る前に見つけるを達成することができた。私は彼の後ろにバレないよう回り込む。
「あ、先週の!奇遇だね、今日は塾なの?」
私的には最高の入り込みだった。