「マオちゃん、明日香ちゃん、私のこと可愛くして!」

いつもの三人で、最近作ったグループチャットにひまりちゃんが投稿したメッセージだった。

それからの話によると、ひまりちゃんに有栖川先輩から連絡が来たらしく、その内容が一緒にお出かけのお誘いだったらしく、それで私たちを頼ってきてくれたようでした。

「てなわけで!ひまり可愛くしようの会を始めるよ!」

「おー」

「よろしくお願いします」

ひまりちゃんが先輩からお誘いを受けた。次の日、三人は学校が休みだったため、町のショッピングモールに来ていた。

「でも、ひまり今着ている服も十分に合ってるよ」

「そうだよ、雰囲気がひまりちゃんにぴったりだよ」

「ありがと、でもさ、今っぽくしてほしいかなって。その方が先輩喜んでくれるかなって」

もじもじとしながらもひまりちゃんからこんな言葉が出てくるなんて、これが愛の力なんですかね。私も師匠の下でたくさん勉強しましたが驚かされることばかりです。

「化粧、しちゃおっか」

「お、お化粧?」

「やっぱり、今までスキンケアのみだったんだね」

じゃあついてきてと、明日香ちゃんに連れられておすすめのお店にやってきた。

「いっぱいあるね」

「そうだね」

「なに、入り口で立ってるの?入るよ」

それから、明日香ちゃんが一つずつおすすめのものを紹介していってくれましたけど、たくさんあって、途中から何が何なのか分からなくなってきました。ひまりちゃんも隣で必死に来ていましたが最後までついていけなかったようです。

「化粧と言っても、すぐにたくさんやろうとしなくてもいいの、色付きのリップをつけるこれだけで十分なおしゃれだもの」

「これなら、私もできる気がする!」

「それなら、この中から探すといいよ」

ひまりちゃんは明日香ちゃんに教えてもらった中から一つ一つ手に取って探し始めました。

「ひまりが選んでるの見てたら私も欲しくなっちゃったから、一つ買おうかな。マオはどうする?」

「じゃあ、私も買う!」

実は私も今まで修業ばっかりであまり、こういうのに触れる機会はありませんでした。だから、私も今日はとても勉強になりました。あと、やっぱり仲いい子たちと遊ぶのが一番好きです。

「ひまりちゃんはどの色選んだの?」

「これを選んだ」

「おお、ばっちり、似合いそう」

そういって、教えてくれた色はひまりちゃんがあまり選ばそうな、明るい色でした。


今日買ったリップを付けたら彼は気づいてくれるのだろうか。そう、三人は思った。