そして昼休み、俺は部室もとい生徒指導室に向かっている。女子生徒がいる所は嫌なそうだし、高校生の女子と男子がお昼を共にしていたらどこか視線を感じなきゃいけないし、それは疲れるからという理由だ。
ドアを開けると既に小春はいた。コンビニのパンを持っている。昨日あの状態から動かされていなかった机を少し動かして長机を二つ横に並べて椅子を三か所におく。椅子が二つある方に座るとその隣に座ってきた。てっきり反対側に座ると思っていたのだが。まぁ昼休みも有限なので弁当を開ける。やはり彩りがいいとは到底言えない出来栄えである。昨日の残りの野菜炒めとご飯が詰まっただけの質素なものである。しかし小春はそれを熱心に覗いてきた。
「どうしたの?」
と聞いてみると、なんでもありませんと物凄い勢いで首を横に振られた。そして質問してくる。
「ご自分でお作りになったのですか?」
「うん、そうだけど、よく分かったね」
「いえただ母が作った弁当であればもう少し彩りがあるかと思いまして」
確かにと思い、なるほどと言うと
「別に悪い意味で言ったんじゃないですからね」
とフォローされた。まぁ、分かってるけど。
「そっちこそ、パン一個だよね。お腹空かない?部活も始まったし」
と聞くと何とも言えない表情で答えられた。
「購買で買うのは勇気がなくて。お弁当もうちの母は作ってくれるような人ではないので」
なるほどごもっともな理由である。男子の俺でもあれに参加するのは気が萎えるのに、女子が飛び込むのはもっと厳しそうだ。
するとドアが開いて坂本先生が入ってきた。すると俺の方をにやりと見て
「もう女に手を出したのか。随分やり手じゃないか」
とからかってくる。俺の隣にいる人はそういうのでも真に受けちゃうから辞めてほしいんだけど。するとやっぱり反論が始まった。
「いえ、別に和弥君はそういうのじゃなくてただ私の相談に乗ってくれただけで、今日も私が誘っただけですし」
とちゃんと墓穴も掘った。
「出会って二日の女にこう言わせるとはほんとに将来が有望だね。まぁこの学校にいうるちは下手なことするんじゃねぇよ」
とウインクをかましてきた。
「まぁそれは置いといてだ、早速だがお前らに手伝ってもらうことがある」
とやっと本題に入った。
「今日昨日この部屋から出ていったあいつが登校してるんだ。そいつを放課後ここに連れてこい」
「放送かければいいんじゃないですか」
と一応正論をいう。
「それじゃ多分こないだろ、あいつ」
と元も子もないことを言われた。それを連れてくるのも含めてあんたの仕事だろ。
「めんどくさいです」
と言うと
「やってくれるんだな」
とすぐに返される。やりたくないというべきだっただろうか。それはそれでウザがらみされるようにも思えるので仕方ないか。そして一つ、
「それで連れてきてどうするつもりなんですか」
と聞くと、そういうのはその時知った方が面白いだろと言って先生は部屋を出ていった。小春は対人関係が乏しそうだし、俺が一人でやるのが一番手っ取り早そうだ。
そうは思ったものの彼女の名前もクラスも知らないし所属してる部活はもちろんない。つまり何の情報もない。クラスは普通科全部で五個あるはずだ。芸術科だった場合はもうどうしようもないだろう。一つ一つクラスを覗いてもいいがそれでは俺が明らかに不審者になってしまうし、トイレに行っていたり先生に呼ばれたりしていたら、それは意味をなさない。やはりあの先生に聞きに行くべきだろうか。
ドアを開けると既に小春はいた。コンビニのパンを持っている。昨日あの状態から動かされていなかった机を少し動かして長机を二つ横に並べて椅子を三か所におく。椅子が二つある方に座るとその隣に座ってきた。てっきり反対側に座ると思っていたのだが。まぁ昼休みも有限なので弁当を開ける。やはり彩りがいいとは到底言えない出来栄えである。昨日の残りの野菜炒めとご飯が詰まっただけの質素なものである。しかし小春はそれを熱心に覗いてきた。
「どうしたの?」
と聞いてみると、なんでもありませんと物凄い勢いで首を横に振られた。そして質問してくる。
「ご自分でお作りになったのですか?」
「うん、そうだけど、よく分かったね」
「いえただ母が作った弁当であればもう少し彩りがあるかと思いまして」
確かにと思い、なるほどと言うと
「別に悪い意味で言ったんじゃないですからね」
とフォローされた。まぁ、分かってるけど。
「そっちこそ、パン一個だよね。お腹空かない?部活も始まったし」
と聞くと何とも言えない表情で答えられた。
「購買で買うのは勇気がなくて。お弁当もうちの母は作ってくれるような人ではないので」
なるほどごもっともな理由である。男子の俺でもあれに参加するのは気が萎えるのに、女子が飛び込むのはもっと厳しそうだ。
するとドアが開いて坂本先生が入ってきた。すると俺の方をにやりと見て
「もう女に手を出したのか。随分やり手じゃないか」
とからかってくる。俺の隣にいる人はそういうのでも真に受けちゃうから辞めてほしいんだけど。するとやっぱり反論が始まった。
「いえ、別に和弥君はそういうのじゃなくてただ私の相談に乗ってくれただけで、今日も私が誘っただけですし」
とちゃんと墓穴も掘った。
「出会って二日の女にこう言わせるとはほんとに将来が有望だね。まぁこの学校にいうるちは下手なことするんじゃねぇよ」
とウインクをかましてきた。
「まぁそれは置いといてだ、早速だがお前らに手伝ってもらうことがある」
とやっと本題に入った。
「今日昨日この部屋から出ていったあいつが登校してるんだ。そいつを放課後ここに連れてこい」
「放送かければいいんじゃないですか」
と一応正論をいう。
「それじゃ多分こないだろ、あいつ」
と元も子もないことを言われた。それを連れてくるのも含めてあんたの仕事だろ。
「めんどくさいです」
と言うと
「やってくれるんだな」
とすぐに返される。やりたくないというべきだっただろうか。それはそれでウザがらみされるようにも思えるので仕方ないか。そして一つ、
「それで連れてきてどうするつもりなんですか」
と聞くと、そういうのはその時知った方が面白いだろと言って先生は部屋を出ていった。小春は対人関係が乏しそうだし、俺が一人でやるのが一番手っ取り早そうだ。
そうは思ったものの彼女の名前もクラスも知らないし所属してる部活はもちろんない。つまり何の情報もない。クラスは普通科全部で五個あるはずだ。芸術科だった場合はもうどうしようもないだろう。一つ一つクラスを覗いてもいいがそれでは俺が明らかに不審者になってしまうし、トイレに行っていたり先生に呼ばれたりしていたら、それは意味をなさない。やはりあの先生に聞きに行くべきだろうか。