部活に入ることそれが校則がゆるいとされるこの学校では珍しい厳密なルールである。そしてその校則もあってかうちの学校は部活動が盛んである。中にはあまりに酷い活動内容から廃部にさせられたものがあるらしいが、しかしそれもまた過去の栄光として語り継がれている。そして新たにレッドリストに入れられる部活が誕生するのだった。

 「春麗かな素晴らしいこの良き日に、入学式を迎えられたこと入学生一同喜ばしい限りでございます…」
と壇上からありふれた言葉で新入生代表だという生徒が抱負を述べている。専門学校の設立とともに生まれたこの学校は出来てから数年しか経っておらず歴史はまだ浅い。しかし流石に高校だから生徒の数も多いと感じる。最も普通科の生徒は内半分もいないのだが。
 適当にホームルームを終わらせ、校舎をうろうろしながらホームルームで担任に渡された紙を眺める。とても大切なものだと言っていたがただの入部届だ。しかしどの部活に入るかは本当に困る。何しろこの学校は部活が異常なまでに多く、担任曰くすべての部活を3年間で知ることは不可能らしい。それでよく統率が取れたものだ。しかしながら普通友達と部活を探しに行くものではないかと思う人もいるだろう。俺もそう思っていた。だが無事序盤からしくじってしまったらしくまともに話せる人など今のところいない。というかこれからも不安だ。
 そしてある程度部活は見て回ったものの特に興味あるものもなく、何かの部活に属することなく一週間が過ぎようとしていたとき、突如として俺は生徒指導の教師に呼び出された。