喫茶Hesperusには猫がいる


「すいませんー二人です」

「大ちゃん!来たぞ!」

「いつものよろしく」

次々と押し寄せる人、人、人…


「何だこれは……」

呆気に取られていると、マオンが「だろ?」と得意気に言った。


「ホントはこれぐらい人が来るんだ。
で、どうする?やる?やらない?」

じーっとマオンが見つめている。

これは勿論…答えは決まっている。


「やります!」

私はそこに掛けられている花柄のエプロンを手にする。
そして勢いよく厨房に入って行った。




こうして今日から、私の新生活が始まった。

予想とは違った新生活。
だけど…すごく楽しい日々になりそうな気がしている。


だって喫茶Hesperusには猫がいる。
尻尾が三本に別れた白い猫と…少し訳アリの黒猫がいるから。