「で、面接はダメだったと」
マオンがそう聞き返すので、思わず項垂れて頭がゴツンとカウンターにぶつかった。
「はい……ダメでした………」
私は再び、喫茶Hesperusに戻ってきた。
そしてカウンターでさっきの通り項垂れている。
「行ったら『すいません決まっちゃったんですー』って感じで、連絡することすら忘れてたらしいんです…
ていうかいつも面接行く前に『決まりました』って連絡来るのは何なんですかねぇ?
私呪われてるんですかねぇ?」
グチグチと運の無さを嘆く私を、店員さん─大己さんは苦笑いしながら聞いている。
「どれどれ?『三輪依子 十九歳』…ってお前まだ未成年なのか?」
マオンは勝手にカバンを開けて履歴書を引っ張り出してきた。
「失礼ですね!今年二十歳のピッチピチの十代ですよ!」
「いや…ピッチピチって言葉のチョイス自体古いと思うが……」
私達が言い争っている間にも、大己さんは履歴書を持ち上げて眺めている。
「ふぅん、この住所は帝釈天の裏辺り…ってことは歩いて五分ぐらいか」
ちょっと何見てるんですか?!
そう言って履歴書をひったくろうとした瞬間だった。
「どう?うちで働かない?」
大己さんはにっこり笑ってそう言った。

