前日から今日の学級会では今年の委員会を決める予定があった。着々とそれぞれ委員会男女二人が決められていく中、香耶の緊張が高まっていくのが遠くの席から見ていて分かった。
昨晩の通話で藤堂くんと同じ委員会に入りたいと意気込んでいた彼女の覚悟はただならないはず。
確か去年は二人とも図書委員会に入っていたはず。
「(朝、電車で藤堂くんに探りを入れたら『図書委員かな』って言ってたし)」
上手いこと行けたらいいけど。
「おーい、体育委員になりたいやついないのか?」
困ったように担任の先生が教壇から全体に声を掛ける。今のところ体育委員は男女共に誰も声を上げていなかった。
体育委員と言えば毎回体育の時間にみんなの前で準備体操を踊ったりで少し面倒なイメージがある。
すると何を思ったのか、先生は生徒名簿に視線を走らせた。
「今日が4月8日だから足して12。男子出席番号12番は藤堂だな」
え、と思ったときには時すでに遅し。
「藤堂、体育委員やってくれるか?」
「……分かりました。いいですよ」
人がいい藤堂くんがそれを断るはずがなく、彼は体育委員に決まってしまった。
いくら同じ委員会に入りたいと言っても、体育委員に香耶は……