藤堂くん、香耶の気持ちにも何となく聞いてそうだけどな。
「(どう考えても地獄、でももし行かなかったら香耶が一人に……)」
それだけは避けなければいけない。悩んだ挙句、普段と変わらないラフな服装を手に取って着替えた。
リビングに降りると弟たちが揃って仲良くテレビゲームに夢中になっていた。
「ママとパパは?」
「お買い物行ったよー」
「そっか、お姉ちゃんも出かけてくるね」
「え、どっか行くの?」
コントローラーを持つ手を止めてこちらを振り返った暦に釣られ、旭も私の方を向いた。
地味に勘が鋭いこの二人に興味を持たれない内に家を出ていこうと思ったがどうやら捕まってしまったようだ。
罰が悪く表情を曇らせると二人はお互いの顔を見合わせて首を傾げる。
「部活が休みの日にお姉ちゃんが外に遊びにいく?」
「テストが終わった次の休日は部屋に閉じ籠って出てこない由奈姉が?」
「これは怪しいですねえ」
「そうですねえ」
この二人、何でこんなにも察しがいいんだ。
お留守番宜しくねとだけ告げると二人の怪しむ視線から逃げるようにして家をあとにした。
「(どう考えても地獄、でももし行かなかったら香耶が一人に……)」
それだけは避けなければいけない。悩んだ挙句、普段と変わらないラフな服装を手に取って着替えた。
リビングに降りると弟たちが揃って仲良くテレビゲームに夢中になっていた。
「ママとパパは?」
「お買い物行ったよー」
「そっか、お姉ちゃんも出かけてくるね」
「え、どっか行くの?」
コントローラーを持つ手を止めてこちらを振り返った暦に釣られ、旭も私の方を向いた。
地味に勘が鋭いこの二人に興味を持たれない内に家を出ていこうと思ったがどうやら捕まってしまったようだ。
罰が悪く表情を曇らせると二人はお互いの顔を見合わせて首を傾げる。
「部活が休みの日にお姉ちゃんが外に遊びにいく?」
「テストが終わった次の休日は部屋に閉じ籠って出てこない由奈姉が?」
「これは怪しいですねえ」
「そうですねえ」
この二人、何でこんなにも察しがいいんだ。
お留守番宜しくねとだけ告げると二人の怪しむ視線から逃げるようにして家をあとにした。


