アオハル四重奏




これが半年前、私と藤堂くんに起こったこと。
その全てを私は今でも香耶に秘密にしている。



無事にテストが終わり真面目に勉強した結果いい成績を納めることが出来て安心している間もなく、次の試練が私に襲い掛かってきた。


「(そういえば男の子と出掛けるのって初めてかもしれない……)」


Wデート当日、私はクローゼットを空けて思わず思考が止まった。
試験のことが頭が一杯過ぎて着る予定の服のこと、何も考えてなかった。

クローゼットにかかっているのはどれもシンプルなデザインのラフな服ばかり。
今までは気にしたことなかったけど、これをデートに着ていくってどうなんだろうか。

でも私スカートとか似合わないし、そもそも持ってない!


「……というか」


行きたくないな、クローゼットの前にしゃがみ込むと深く溜息を漏らす。
本当は昨日、最後の最後まで香耶に連絡するかどうかを迷っていた。この間の藤堂くんとのこと、あれを聞いて私は今日遊びに行っていいんだろうか。


『俺はまだ、あの時と同じ気持ちのままだから』


正直言うとあの時も私が遮ったから彼の気持ちを最後まで聞いていない。
だけどこの間の言葉から察するに、藤堂くんはまだ私のことを……