「か、香耶も!」
「え?」
「……二人じゃ、ないの。香耶と八神くんも誘おうかなって考えてて」
「……」
首の裏をジトッとした汗が垂れていくのが分かる。
すると話を理解した藤堂くんの顔が、目が、暗く冷めていった。
そして暫くして普段は聞けないような低い声が彼から漏れた。
「なるほど、そういうことか」
「藤堂く」
「一ノ瀬さんは、そんなに俺と樋口さんがくっついてほしい?」
「っ……」
話の真意を察した彼の口調に、私は返す言葉が思いつかなかった。
「酷いな、一ノ瀬さんは。またそうやって俺を遠ざけるんだ」
「……」
「あの時もそうだった、この場所で」
彼はゴミ捨て場に持っていたゴミ袋を捨てる。こちらに背中を向けている彼の表情はこちらからでは分からない。
だけど私の言葉で彼を傷付けてしまったんだということは理解できた。それも、二度も。
「そんなに樋口さんのことが大事?」
「それは……」
「……一ノ瀬さんは俺と彼女が上手くいけば嬉しい?」
「……」
二人が付き合えたら嬉しい、それは本音だった。だから私は頷くことしか出来なかった。
すると彼は「そっか」と納得したように一度空を煽るように見るとこちらを振り返った。
「分かった、いいよ。また詳細教えて」
「うん……」
「だけど一つだけ覚えててほしい」
そう言って一歩私に近付いた彼は真剣な表情のままそれを口にした。
「俺はまだ、あの時と同じ気持ちのままだから」
藤堂くんはそう口にした後、ふっと軽く微笑むと私の隣を通り過ぎていった。
「え?」
「……二人じゃ、ないの。香耶と八神くんも誘おうかなって考えてて」
「……」
首の裏をジトッとした汗が垂れていくのが分かる。
すると話を理解した藤堂くんの顔が、目が、暗く冷めていった。
そして暫くして普段は聞けないような低い声が彼から漏れた。
「なるほど、そういうことか」
「藤堂く」
「一ノ瀬さんは、そんなに俺と樋口さんがくっついてほしい?」
「っ……」
話の真意を察した彼の口調に、私は返す言葉が思いつかなかった。
「酷いな、一ノ瀬さんは。またそうやって俺を遠ざけるんだ」
「……」
「あの時もそうだった、この場所で」
彼はゴミ捨て場に持っていたゴミ袋を捨てる。こちらに背中を向けている彼の表情はこちらからでは分からない。
だけど私の言葉で彼を傷付けてしまったんだということは理解できた。それも、二度も。
「そんなに樋口さんのことが大事?」
「それは……」
「……一ノ瀬さんは俺と彼女が上手くいけば嬉しい?」
「……」
二人が付き合えたら嬉しい、それは本音だった。だから私は頷くことしか出来なかった。
すると彼は「そっか」と納得したように一度空を煽るように見るとこちらを振り返った。
「分かった、いいよ。また詳細教えて」
「うん……」
「だけど一つだけ覚えててほしい」
そう言って一歩私に近付いた彼は真剣な表情のままそれを口にした。
「俺はまだ、あの時と同じ気持ちのままだから」
藤堂くんはそう口にした後、ふっと軽く微笑むと私の隣を通り過ぎていった。


