テスト期間ということもあって放課後に残っている生徒は少なかった。
前を歩く藤堂くんの背中を眺めながらゴミ捨て場までの道をトボトボと歩く。
彼の細い黒髪が日光に反射して輝いている。
言うなら、このタイミングだよね。
私は周りに人がいないのを確認するとそんな白シャツの背中に声を投げた。
「藤堂くん」
「ん?」
「っ……」
声に彼が振り返ったのと同時に苦い記憶がフラッシュバックした。
あぁ、そうだ。この場所は"あの時"の……
だけど香耶との約束だから、言うしかない。
「テストが終わった次の日曜日、予定空いてないかな」
「予定? どうして?」
「……よかったら一緒にボーリングしにいかない?」
あの日香耶と話し合って決めたデートの目的であるボーリングについて伝える。
すると徐々に彼の表情が意外そうなものに変化していく。
「テストも終わるし、気晴らしにどうかなーって。あ、部活あるなら」
「行く」
「へ?」
「行く、行きたい」
言葉の途中で食い気味に返事をした彼に目を丸くした。
そして、
「嬉しい、一ノ瀬さんが誘ってくれて」
「っ……」
とんでもない勘違いをさせているのだと気付いた。
前を歩く藤堂くんの背中を眺めながらゴミ捨て場までの道をトボトボと歩く。
彼の細い黒髪が日光に反射して輝いている。
言うなら、このタイミングだよね。
私は周りに人がいないのを確認するとそんな白シャツの背中に声を投げた。
「藤堂くん」
「ん?」
「っ……」
声に彼が振り返ったのと同時に苦い記憶がフラッシュバックした。
あぁ、そうだ。この場所は"あの時"の……
だけど香耶との約束だから、言うしかない。
「テストが終わった次の日曜日、予定空いてないかな」
「予定? どうして?」
「……よかったら一緒にボーリングしにいかない?」
あの日香耶と話し合って決めたデートの目的であるボーリングについて伝える。
すると徐々に彼の表情が意外そうなものに変化していく。
「テストも終わるし、気晴らしにどうかなーって。あ、部活あるなら」
「行く」
「へ?」
「行く、行きたい」
言葉の途中で食い気味に返事をした彼に目を丸くした。
そして、
「嬉しい、一ノ瀬さんが誘ってくれて」
「っ……」
とんでもない勘違いをさせているのだと気付いた。