本当は誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。そして認めてほしかったんだ。
私にだって女の子らしくお洒落をしてもいいってこと。怖いことは怖いと口にしていいこと。

女の子でいることを、認めてほしかった。


「俺は一ノ瀬さんじゃないから完全に気持ちを分かってあげられないけど、でも辛いならやめればいいじゃん」

「でも……」

「それで周りにとやかく言われるんなら俺がソイツ怒るし」

「……なんで八神くんが?」


どうして八神くんは仲良くもないただのクラスメイトの私にここまで優しく接してくれるんだろう。
そんな疑問を投げかけると、彼は当然のことのように言い放った。


「だって友達助けんのは当たり前でしょ」

「とも、だち?」

「あれ、ちょっと馴れ馴れしすぎたか。でもさ、また言い出しづらいことがあったら相談してよ。クラスメイトが困ってるの、見過ごせないし」


あぁ、この人、本当に根っからの善人なんだ。
そのことが分かるなり、私の体から力が抜けていった。


「八神くん、ありがとう」

「うん」

「私、変わりたい」


もう自分を偽って生きたくなんかない。


「一ノ瀬さんなら変われるよ」


彼のその言葉を信じてみたいと思った。