「か、香耶?」
「……」
強張った表情をしている彼女は前にいる八神くんと視線を合わせようとしない。
男の子にここまでの拒否反応を示すのも珍しいなと思いながらも流れた沈黙を埋める為に会話の話題を探す。
「や、八神くんは?」
「俺はバスケ。この身長活かせるのここぐらいしかないし」
そんなこともない気がするが、確かに八神くんのような高身長の人がいた方がバスケでは有利になるかもしれない。
一ノ瀬さんはドッジねー、と紙にメモをする彼に漸く香耶が重い口を開いた。
「私もドッジにする……」
「樋口さんも?」
「……」
な、何なんだこの重い空気は。八神くんもそれを察してなのか「ありがと」と告げると颯爽と私たちから離れていった。
途端にクラスメイト達から囲まれる彼の姿に流石だなと思いつつも私は様子を見て香耶を尋ねる。
「えっと、八神くんと何かあった?」
「別に、何もない。けど……」
「けど?」
「あの人は、嫌い」
え。
「(温和な香耶が嫌うって、一体八神くん何をしたんだ?)」
彼女の言葉に「そっか」と短く返すことしか出来なかった。
「……」
強張った表情をしている彼女は前にいる八神くんと視線を合わせようとしない。
男の子にここまでの拒否反応を示すのも珍しいなと思いながらも流れた沈黙を埋める為に会話の話題を探す。
「や、八神くんは?」
「俺はバスケ。この身長活かせるのここぐらいしかないし」
そんなこともない気がするが、確かに八神くんのような高身長の人がいた方がバスケでは有利になるかもしれない。
一ノ瀬さんはドッジねー、と紙にメモをする彼に漸く香耶が重い口を開いた。
「私もドッジにする……」
「樋口さんも?」
「……」
な、何なんだこの重い空気は。八神くんもそれを察してなのか「ありがと」と告げると颯爽と私たちから離れていった。
途端にクラスメイト達から囲まれる彼の姿に流石だなと思いつつも私は様子を見て香耶を尋ねる。
「えっと、八神くんと何かあった?」
「別に、何もない。けど……」
「けど?」
「あの人は、嫌い」
え。
「(温和な香耶が嫌うって、一体八神くん何をしたんだ?)」
彼女の言葉に「そっか」と短く返すことしか出来なかった。