新学期が明けて一ヵ月が経った。


「姉ちゃん、今日は身長図らなくてもいいのか?」

「うん、先週身体測定で嫌って程知ったから暫く休憩」


毎日の日課がないからか双子たちは残念そうに口を尖らせていた。
そんな二人を宥め家を出るといつも通り部活の朝練へ向かう。

今日はいつもよりもっと先に家を出た。


「(藤堂くんと会うと、ちょっと気まずいし)」


委員会の前、彼に言われた台詞が頭の中で反復する。


『今は、少しラッキーだったなって思ってるよ』


大丈夫、あれは特に意味はない言葉だったって。
嫌な思い出ばかり思い出してしまうのは、私がまだ彼に対して罪悪感を抱いているからかもしれない。



GWが過ぎると私のクラスでの立ち位置は明確になっていった。
ドンッと大きな音と共に背中に広がる痛み。振り返るとあまり絡んだことのない男子が友人とふざけているときに私にぶつかって来たのだと分かった。


「うわ、悪い……て、なんだ一ノ瀬か」

「いや、だいじょう」


ぶ?と聞く前に去って行ってしまった男子に隣にいた香耶が顔を真っ赤にして乗り出した。


「あの人……」

「大丈夫だよ、香耶。ぶつかっただけだし」


むしろ香耶のような体が弱い女の子にぶつからなくてよかったというか。


「(なんとなく分かっていたけど……)」


私、女子だって思われてないんだろうな。