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由奈ちゃんと藤堂くんと別れ、部活のない今日は一人で駅へ向かう。
はず、だったのに。
「樋口さんって電車通学なんだ」
「……」
なんでこの人付いてきてるんだろう。
学校を出たと思ったら後ろから名前を呼ばれ、気付いたらこの八神?という人が隣を歩いていた。
まだ新学期始まったばかりだけど、この人は何となく苦手な分類だと分かる。
「あの、他の人と帰らないんですか?」
「それが仲良いやつ皆委員会でな。良かったら駅まで一緒に帰らない? あまり樋口さんと話してなかったし」
藤堂くんとも仲良く話していたし、悪い人じゃないって分かってるんだけど。
「(藤堂くん……)」
昨晩、由奈ちゃんに頑張ると宣言したけれどまさか彼が体育委員に選ばれるとは思っていなかった。
運動は苦手だし、目立つのも嫌だったからあの場面で自分から手を挙げることも出来なくて。
由奈ちゃんも部活が大変そうで委員会には入る予定じゃなかったのに、藤堂くんが他の女の子と委員会に入ると思ったらいてもたってもいられなくなった。
彼女はそれを察してか自分から藤堂くんと同じ委員会に入ってくれた。由奈ちゃんは優しいから。
私って、
「性格悪いな……」
「誰が性格悪いの?」
「っ……」