お互い無意識に立ち止まり目を合わせた。

 思いがけない所でのバッタリ顔合わせに本田さんは最初は戸惑っていたけど、すぐに落ち着いてニヤリと微笑んだ。

「黒江ぇ〜、ご機嫌、いかがぁ〜?」

 ハァ、ご機嫌いかが?

 何なの?

 人を軽蔑しているような、このあいさつの仕方は。

 目を細め、ちょっと意地悪そうな視線で私を見るのだ。

「まぁ、ぼちぼちだけどね」

 返事をするけど視線を合わせない私。

「文句言わないのぉ? 昨日の事ぉ」

 昨日の事について話しを切り出して来たか。