２年生に進級してからの時だった。

「よぉー天崎ぃー！　お前やっぱ、真夢と付き合っているのかー？」

　昼休み、１人で食堂でメシを食べ終わって教室へ戻ろうとした時、渡り廊下で語り合っていると背後から声をかけられた。
　同じクラスの女のコで口うるさい『八乙女紗理奈』じゃないか？

「え？」

　目を細めムフフ笑みを見せる八乙女さん。
　何故かソワソワしているけど。

「マキから言ってたぞー。真夢と天崎くん、ラブラブみたいだねぇーってな」

「べ、別にオレは！」

　無意識にオレは交際を否定した。
　何も否定する必要はないけれど、周りの人間には知られたくないって言う秘密意識を持ってしまっているのだ。