オレがあさっての方向を向いた時に中井と佐野さんは背後にいる誰かに視線を向けた。

 この状況にもオレは気づかない。
 その誰かがうなづいている事でさえもだ。

 場がシーンとなった。

 佐野さんが話しを進める。

「康太、そろそろ紹介してあげようよ? 宮野さん、待っているよ」

「そうだな」

 例の女のコ紹介の話しだ。

「その…みやの、ことり…って女のコ来ているの?」

「うん来てる」

「どこにいるの?」

「後ろにいるよ」