「でもアイツにも良いところはあるぜ」

「どんなところ?」

「嘘は絶対に付かないし人を裏切らない。根はすごく真面目なんだ」

「そうなんだ?」

「物事の良し悪しに関しても、キッチリとしているからね。まぁ、人として当然の事だけど」

「悪いヤツじゃないんだね?」

「そうだな」

 松元はしっかりと岡村の事を見ていた。

「なのにオレを悪く思ってやがる」

「天崎を悪く思っているって事は逆に、自分の彼女に信頼しているからだろう?」

「…」