「それで婆ちゃん、用は何だ」

「その前にお客さまに自己紹介は?」

お婆さんは自分の正面に座る各務を、湯飲みを持ち上げギロリと睨む。

秋月各務(アキヅキカガミ)です。こちらは祖母の千草です。

失礼ですがそちら様は?」

各務は相変わらず仏頂面で明空に尋ねた。

「わ、私は天宮明空。高校生です」

「わしはコウジンと申す。呼びにくければアラガミでもよいぞ」

『荒神さま!お2人には聞こえませんよ!それより早くここから──』

明空は心の中で神さまに訴える。

しかし──

「まあ!コウジンさまでしたか?ではうちの神さまと同じですね!

なんて良縁でしょう!コウジンは幸神に通じますしね!」

「え!?」