お婆さんが叫び、各務が立ち塞がる。

「祖母がお世話になりまして。

何もありませんが、さぁどうぞ」

両肩を押されて、回れ右してソファーの上座に鎮座させられる明空。

こうなるともう逃げられない。

「お前らお客様にお茶だ。そして寿司の特上だ」

「承知しましたァ!!」

それからが大変だった。事務所の中は蜂の巣をつついたような騒ぎになる。

各務に命じられた社員らはいそいそとお婆さんの肩を揉んだり、

汗だくの明空のためにジュースを出したり冷房を入れてくれた。