明空も神さまの柔らかな物言いに、

少しだけ不機嫌さが和らいできた。

「荒ぶるの『荒』に

『神』じゃよ」

「ああ、荒神(アラガミ)と書いて

〈コウジン〉ですか!

なんかカッコイイですね!!」

「そうであろうそうであろう!

元々は唐渡りの武闘神だからの!

ここだけの話じゃが、

この日ノ本にわしほど強い神はそうはおらぬぞ!!」

ワッハッハッハッ!
と思い切り胸を反らせて笑う、

荒神さま。




明空の空想の中では、

白髪に白髭、白い衣に杖をついた

典型的な神さまスタイルの荒神像が完成していた。