「私の名前は天宮明空です。

天の宮に、『アキラ』は明ける空。

お父さんが付けてくれました。

『娘』じゃなくて、
今度からは名前で呼んでください」

「おお、そうであったの。

つい、名で呼ぶのは遠慮があっての。

うむ!明ける空か。

善き名じゃ。

そちの父君は善き名をくださったの。

わしのことも遠慮せず名で呼んでもよいぞ。

娘……ではなかった、アキラよ」

神さまは明空の素っ気ない態度を別段気にする訳でもなく、

朗らかに語りかける。

「……“コウジン”って、どんな字ですか?」