「《清き心》とは、
善き行いを成す心のことじゃ」

神さまは家を飛び出して、てくてく歩く明空に説明する。

「そして《浄めの手》とは、

《清き心》を具現化する行動そのものを指す。

解るかの?」

「……簡単ですね」

「うむ?」

「意外に簡単ですね?

つまり、善行を積めばいいんでしょう?

もったいぶってた割りには簡単に出来そう」

どこか言葉に刺のある明空に、

神さまは諭すように答える。

「いやいや、娘よ。

簡単だからと侮ってはならぬぞ。

簡単で単純に見える物こそ、

複雑で困難なこともあるのだ」

「アキラです」

「うむむ?」