「お!いかんいかん!!つい気が抜けてしもうた!

よいか?『病は気から』じゃ!

そちにはこの、

“コウジン”が着いておる!

ちょっとやそっとでは死にはせん!

大船に乗った気でおるがよい!!」

明空の空想の中で、

神さまがポン!と

元気よく、胸を叩いたような気がした。

「でも、“コウジン”って、

どんな神さまなんだろう?」

明空は冷え切った両手をさすりながら、

相変わらず、ぶつぶつとひとり呟いていた。