「うむ。このままではそちは取り返しの着かぬことにな……」

「イヤーーーー!!!」

「あーー!また走り出してしもうた!!

これ!落ち着け!

責任さえ取ってくれればわしは何も!

これ!娘!!」

明空は聞いていない。

まったく聞いていない。

ただただ、この奇妙な爺さんの声を振り切りたくて走りに走る。

しかし、どこまで走っても謎の老人が離れることはなく、

とうとう帰りの電車の中にまで着いて来てしまったのである。

「……つまり、……で、……する」