もし、明空がいつもの状態なら手を合わせるくらいのことはしただろう。

だが、今の明空は普通の状態ではなかった。

それどころか、じっとその可愛らしい建物を見つめていたかと思うと

なんと、《社》の屋根を両手でバリバリと剥ぎ取り始めたのだ!!

「火……何か燃やす物……」

ガタガタ震えながら明空は社を壊し続ける。

彼女の頭の中には暖を取ることしかなかった。

マッチは持って来た。

後は燃やす物だけだ。

雨に濡れた山の木々では無理だ。

しかも生木では燃えない。

でもこの社の内側の木なら乾燥して燃えるかも知れない!!