俺は一人納得して、自分の中で正当化した。

 そう思わないと、なんで辻本さんが急にア
イドルを興味持たせてと言うのが理解できな
かった。

 そして、俺はすぐに自宅に帰った。

 それから、俺は帰ったらすぐ男性アイドル
雑誌を6時間ほど読み漁った。

 男性アイドル雑誌を読んで研究して、アイ
ドルというものを知りたいと思わせる程、興
味を持つ説明を頭の中で考えて、シミュレー
ションした。

 そのあと、すぐに寝て、起きたのは7時く
らいだった。

「眠っ」

 俺は起きると、すぐに朝食を適当に作って、
パンとサラダを口にする。

 親は今日も仕事でいない。

 一人になることが多いのは、珍しくもない。
 顔洗って、歯磨いて、制服着て、まじめに
学校へ行く。

 至って、真面目に生活している。

 家の玄関を開けて、真っ直ぐに歩いていた
ら、誰かが声をかけてきた。

「おはよう。どう?私にアイドル興味持たせ
る手段考えた?」

 俺は後ろを振り返ると、辻本さんがいた。

「…え?」

 俺の顔は前髪が長くて見えてないと思うが、目を丸くした。

「…おはよう」

 辻本さんは俺の目の前にいて、挨拶してき
た。

「…おは、よう」

 俺は戸惑いながら、真っ正面にいる辻本さ
んを目をオドオドさせた。

「考えた?」

「え?…考えたけど」

 口をモゴモゴさせてから、辻本さんに小さ
い声で俺は言う。

「言ってみてよ」

 辻本さんは俺にそう言って、俺の返答を待
っていた。

「……っ」

 俺は逃げるかのように走った。

「あ、待って!」

 辻本さんは俺に言って、追いかけてきた。
 俺は後ろを振り返り、辻本さんが着いてきた。

 え?はあ!?
 速い!

 え?追いつかれる。

 と思ってた矢先、辻井さんは俺に追いつい
て、俺の肩を掴んだ。

「捕まえた。じゃあ、屋上でお昼時間になっ
たら教えて。待ってる」

 それだけ言い放ち、さっきに学校へ行った。
 なんなんだよ。なんで俺に構うんだ。

 こんな地味オタクを。

 学校に着くと、教室には友がいた。

「おはよう。昨日どうしたんだよ。カバン置
いたまま、どっかに消えて。なんか夏夜ちゃ
んとあったのか。携帯繋がらないし。今まで
何やってたんだ」

 自分の席に着き、目を逸らしてから、友に
言う。

「……辻本さんとは、何にもない。ただ、ア
イドルを興味持たせる為の勉強」